ドラクエ7といえばドラクエ初のムービー。ドラクエ7のムービーといえば恐らくあなたは、いやあなたじゃなくても、皆さん“あのムービーシーン”を思い浮かべているでしょう。
わかります。言いたいことはわかります。
物語中に二回流れる“あれ”ですよね。放浪の民のところで流れる“あれ”のことですよね。
あるものは恐怖におののき、あるものは悪夢にうなされ、あるものはただ茫然と目の前の状況を受け入れるしかなかったという、“あれ”。
こんな感じでドラクエ7のムービーを話題に出すと“あれ”ばかりが取り上げられてしまうので、今回は別のシーンを切り取っていきたいです。
砂漠のとこのムービーシーン?
そうですね、それも“あれ”ほどではないにしても有名ですよね。もちろんいい意味で。
タイトルに書いてあるから察している?
そうですね、それもそうですね。
そっちじゃなくて“あれ”について取り上げてくれよ?
ごめんなさいね、今回は許してね。
オープニングを見たそのとき
よーし待ちに待ったドラクエ7をやるぞーと思い、プレイステーションを起動して、名前をつけて、さあ始まりましたというときに、とりあえずムービーが始まりますよね。
トカゲだがなんだかわからない緑のやつがひょこっと出てきたときに私は
「すごい!ドラクエが進化している!」
と感動しました。ドラクエ6もきれいだなあと思っていたけど、比にはならない時代がきたな!と。まさにこれから始まる冒険を前に期待に胸を膨らませました。これはこの先楽しみだぜ!もっと見せろ見せろー!と。
そしてトカゲがひょこひょこっといなくなると次の瞬間、
「え、ゴム??」
思わずそう思ってしまいした。思わずなのに思うとはこれいかに。
手袋がゴムっぽいのはいいんです。ゴム手袋だと思えばいいのですから。
ただ皮膚が、皮膚もゴムっぽい。あんまり触りたくない。
今ならわかります、当時の技術でそこまでの完成度を求めるのはおかしいと。ただ当時の私は、ただただこの質感が怖かったのです。
そう、怖かったのです。
皮膚ゴムですよ?ぐんにゃりしそうなゴム皮膚ですよ?こわ~。
手とか握ったら思わず、ぞわわわ~ってなりそう。ぞわ~。
わかりやすく言うなら、某魔法学校で、箒に乗って行う某競技中に負傷した、某眼鏡の少年が、ロックハート先生の魔法のせいで、腕がぐんにゃりしちゃう、あれにすごい似てます。
わかりやすく言ったのにわからない方はごめんなさい。
私はびくびくしながら思いました。
今からこのゴム人間たちになって冒険の旅に出るのか……と。
冒険の合間合間でこのゴム人間たちのムービーを見せられるのか……と。
そう、当然ながら私は知らなかったのです。
こんなオープニングの恐怖はまだ序の口なことを。
恐怖のムービーが後方に待ち構えていることを。
それはまた別のお話……。
(文:やなぎアキ)
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