どうも、ビックアイです。
……。
ウソです、おおめだまです。
突然の豆知識ですが、ブラインドケーブ・カラシン(学名Astyanax mexicanus)という魚は、光のない洞窟で長く暮らしているうち、目が退化してなくなったといいます。
進化とはすごいですね!
生命の神秘と、生物の貪欲さを感じます。
ただ、そんな偉大なるブラインドケープ・カラシンと比べても、ワタクシ「おおめだま」のご先祖さまは、さらにとんでもないことをやってのけました。
まずはワタクシのプロフィールをご覧ください。
目玉以外ほとんどの部分を退化させてしまったのです。
いやいや、やりすぎでしょ……。
一体全体どういう場所に住んだらそんな事が……。
耳とか手とかが退化し始めたあたりで「あれ?なんか不便だな〜?」とか思うのでは、普通。
あくまで想像ですが、一つ目仲間のひとつめピエロさんやサイクロプスさんは、「退化」なんてネガティブな理由で一つ目やってるわけじゃないと思うんですよね〜。だってあの人たち、余裕がありますもん。楽しそうですもん。口元が笑ってますもん。ワタクシ、口すら退化してますもん。喋れるけど。
そんなワタクシにも、ささやかな誇りがふたつほどあります。
ひとつは、初登場作が結構早い、という点。
代表格キャラのサイクロプスさんがドラクエ2からなのは仕方ないとして、人気キャラの「ひとつめピエロ」さんと同じく、ドラクエ4でのデビューってのが嬉しいのです。天空シリーズ開幕作で華々しくデビュー……なんだかカッコいいじゃないですか。
そして、もうひとつが、一つ目仲間のなかでも特に「め」を意識させる、このネーミング。
だって、おおめだま、ですよ。
大きな目玉。
まさにワタクシにぴったりの、この名前!
もしや、目に関連する名前だとドラクエ界ナンバー1では? などと思っていたりするわけです。
アイデンティティの確立……これは、腕力では決して上位に食い込めないワタクシにとって、非常に重要な事項なのであります。
……ところが。
ワタクシ以上に「め」を意識させるかもしれないモンスターがいると言うじゃないですか!
それが……憎っくきビックアイ。
なるほどなるほど。外来語ときましたか……。
ビッグじゃなくてビック、というのも気になりますが、まあ一応、たしかに強敵です。
ふふ……しかも英語にしたことで、ワタクシがよくいじられる「大目玉をくらう」も見事に回避している……。
むしろ、ワタクシよりも「め」を意識させる名前かも……?
い、いや!
そんなはずはない!
よく聞けば、ドラクエ5から登場した後輩だというじゃないですか!!!
そんな若手にやられてたまるかってもんですよ!
とりあえずいちゃもん……もとい、抗議をしに行く前に、ちゃんとプロフィールを調べましょう。
おっ……?草食系……?
なんだコイツ、弱そうですぞ……?
そういえば彼ね、先輩のワタクシにまだ挨拶がないわけですよぉ。
いくら殺伐としたモンスター界と言えど、上下関係は大切。そこんとこ、きっちりさせてもらいましょうかぁ!
早速、ヤキを入れにいきましょう!
そして彼を舎弟にすることで「一つ目界のアイドルの座」を射止めるための第一歩とするのです。いつかはサイクロプスさんを押し退け、オープニング映像やなんかに登場させていただきたい!ワタクシの覇道はまだ始まったばかりなのです……!
お、こいつですね。
なんだ、全然インパクト薄いじゃないですか!
たしかに目は一つみたいですが……これだとワタクシの目力には到底及びませんね。
そうだ!
ここはひとつ、ワタクシおおめだまの亜種に、その名前を譲ってもらえませんかねー!
ビックアイ「………………」
……あれ?無視ですか!?
いくら温厚なワタクシといえど、容赦しませんよ〜!?!?
ビックアイ「…………………………」
ぱちり。
ヒッ……
ヒェ〜〜〜ッ!!!
ビックアイさん「…………………………コンニチハ」
ヒッ、ヒェーッ!
ヒェーッ!!!
ぁ……ぅ……。
そ、そうだ!
ワタクシ、無礼講とか全然アリとか思ってるタイプなんでっ!
べ、別に挨拶とかいらないですからね〜!?
これから仲良くしてくださいね〜!?!?
ビックアイさん「………………コチラコソ」
結論。
ビックアイは人なつっこいとか言いつつも、勇者たちに襲いかかるし、暗闇で見るとモンスターでも怖い。
ちなみにドラクエモンスターズシリーズでは、獣系血統におおめだまを配合するとビックアイさんが誕生します。
(文:OGTキシン)
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